ガイド ・ 中級者向け

2PC配信のやり方完全ガイド|Elgato HD60 Xで低負荷・高画質なゲーム配信環境を作る【接続図つき】

12分で読めます(約6,864字)

※当記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。詳細

メインPC・サブPC・キャプチャーボードの接続構成図

この記事で分かること

  • メインPCとサブPC、キャプチャーボードのつなぎ方(接続図つき)
  • OBSの全画面プロジェクターでゲーム画面だけを送る方法
  • ゲーム音をHDMIでサブPCに届けるOBSの音声設定
  • 1PC配信から2PC配信にして実際に変わったこと
  • サブPCに必要な要件と、映らない・音が出ないときの対処

キャプチャーボードを使った快適な2PC配信環境の構築を目指そう

Nintendo Switchを使った配信環境の構築をガイドする記事はたくさんありますが、2PC環境でのキャプチャーボードの運用をガイドする記事が見つからず苦労したので備忘録として書き残しておきます!

九龍

キャプチャーボードの運用として2PC配信をする人自体がそもそも少なさそうです!同じ環境の構築を目指す人にお役に立てる解説をしていくつもりですのでよろしくお願いいたします!

今回のメインアイテムは、Elgato Game Capture HD60 X 外付けキャプチャカードです。

キャプチャーボードを使った2PC配信のメリットは大きく三つ!

  1. ゲームプレイ用PCの負荷軽減! — メインPCで起動するアプリケーションがゲームだけになるので、普段と変わらないゲームプレイを楽しめます!
  2. 高画質配信の実現! — サブPCが配信専門だから、画質をガンガン上げても大丈夫!
  3. 帯域制限に強い配信方法 — 一般家庭の光回線ではNDIを使用した配信は帯域幅の制限により難しいこともありますが、キャプチャーボードを使用した2PC配信なら問題なく行えます。
九龍

特にPCゲームプレイを配信するVtuber活動を目指している人にとってオススメな配信方法です!

「Live2D+ゲーム+OBSとたくさんのソフトウェアを起動しているせいで、全然フレームレートが出ない!」「配信外でやるゲームと環境が違いすぎる…」

そんな悩みを持っている方はぜひこの記事を読んで快適な配信環境の構築を目指してみてください!

配信環境の機材接続構成図関連ガイドゲーム配信に必要な機材ぜんぶまとめ!予算別に\"実際に使ってる機材\"だけを紹介します【2026年版・VTuber対応】ゲーム配信・VTuber配信を始めたい人向けに、必要な機材を予算別に3段階でまとめました!カタログスペックの寄せ集めじゃなくて、ぼくが実際に買って配信で使い倒してる機材だけを紹介していきます!

1PC配信から2PC配信にして実際に変わったこと

ぼくはもともとメインPCひとつで「ゲーム+OBS+VTube Studio」を全部動かしていました。2PC配信に切り替えて、いちばん変わったのはこの三つです!

  • ゲームのフレームレートが140fpsくらい出るようになった! — 1PCのころは30fpsすら出ないゲームもあったので、ほぼ別のPCです
  • メインPCのCPUがサクサクに! — メインPCで動かすのはゲームと、映像を送るためのOBSだけになりました
  • Live2Dのモデルが止まる事故がなくなった! — VTube StudioはサブPCで動かしているので、ゲームが重くなってもモデルは巻き添えになりません
九龍

配信中にメインPCが処理落ちして、モデルがカチコチに固まる……っていうのがいちばんイヤな事故なんですよね。トラッキングをサブPCに逃がしておけば、ゲーム側で何が起きてもモデルはちゃんと動いてくれます!

サブPCのスペックってどれくらい必要?

正直、配信のエンコードがしっかりできれば何でもいいです!サブPCはゲームを動かさないので、メインPCみたいな高いスペックはいりません。ただし「何でも」の中にもここだけは外せない条件があるので、気になる人は下を開いてチェックしてみてください!

サブPCに必要な要件をくわしく見る

2PC配信のサブPCがやる仕事は、この三つだけです。

  1. キャプチャーボードから届いたゲーム映像を受け取る
  2. VTube StudioでLive2Dモデルを動かす
  3. OBSで映像をエンコードして配信する

ゲームを動かさないぶん、見るべきポイントはかなり絞れます!

絶対に外せない条件

  • PC本体のUSB 3.0ポート — HD60 XはUSB 3.0でしか動作が保証されていません。Elgato公式の要件でも「PCに内蔵のUSB 3.0ポート」が条件になっているので、USBハブ経由ではなく本体に直接つなげるポートが必要です
  • Windows 10(64bit)以降 — HD60 XもVTube Studioも64bit版が前提です

いちばん大事なのはグラボ(エンコード担当)

サブPCの性能でいちばん効いてくるのがグラボです。OBSの配信エンコードをグラボのハードウェアエンコーダー(NVIDIAならNVENC、AMDならAMF、Intel内蔵GPUならQuickSync)に任せられれば、CPUの負担がぐっと減って配信が安定します。

VTube Studioもグラボでモデルを描画するので、公式の推奨はVRAM 4GB以上・DirectX 11対応のAMD/NVIDIAのグラボです。この二つを一枚でまかなえるグラボが載っていれば、まず困りません!

CPU・メモリの目安(公式の最低ライン)

  • CPU:Elgato公式の最低要件は第6世代Core i5(i5-6xxx)/ AMD Ryzen 7以上です。型番の末尾に「U」「M」が付く省電力CPUや、Pentium・Celeronは公式に非推奨とされています
  • メモリ:Elgato公式の詳細要件では8GB以上、しかも2枚刺しのデュアルチャネルが推奨です。VTube Studioの推奨は6GBなので、同時に動かすなら16GBあると安心です
九龍

Webカメラでフェイストラッキングしている人は、顔の認識処理もサブPCのCPUが担当します。CPUに少しだけ余裕を持たせておくと、モデルの動きがカクつきにくくなりますよ~!

ネット回線は有線で

配信データを送り出すのはサブPCなので、サブPCは有線LANでつなぐのがオススメです。Wi-Fiだと、電子レンジを使った瞬間に配信がカクついた……なんてことも起こりがちです。

参考:Elgato Game Capture HD60 X — System Requirements(Elgato公式) / VTube Studio(Steam・システム要件)

メインPCに負荷をかけない2PC配信のつなぎ方【PC→PC接続図】

せっかく2PC環境の構築をするのに、メイン機のCPU使用率をはじめとした負荷が高いままになってしまっては意味がありません。ゲームプレイ用のPCで実行するソフトウェアが実行したいゲーム+OBSのみとなるような配線を目指していきます。

メイン機でもOBSを起動しますが、配信のエンコードはサブPCで起動したOBSで行います!

メインPC・サブPC・キャプチャーボードのオススメ配線/接続例
オススメ配線/接続例!接続図は適当な理解でだいじょうぶです!

つなぎ方をひとことでまとめると……

  • メインPC → キャプチャーボード:グラボのHDMI端子から、HD60 Xの「HDMI IN」へ(付属のHDMI 2.0ケーブル)
  • キャプチャーボード → サブPC:HD60 XのUSB-Cから、サブPCのUSB3.0ポートへ(付属のUSB C-to-Aケーブル)
  • モニター:メインPC・サブPCそれぞれ普段どおりに接続。HD60 Xの「HDMI OUT」は使わなくてOK!

キャプチャーボードはメインPCからは「ディスプレイ」、サブPCからは「カメラ」に見えている、というのが2PC配信のいちばん大事なポイントです。これさえ分かっていれば、後の設定で迷子になりません!

九龍

グラボのHDMI端子って1個しかないことが多いんですよね……。そのときはHDMIはキャプチャーボード専用にして、モニターはDisplayPortでつなぐのがオススメです!モニター側にHDMIしかない場合は、DisplayPort→HDMIの変換ケーブルでも大丈夫です。

この配線の具体的な狙いは、

  • メイン機の実行アプリケーションが配信したいゲーム+OBSだけになること
  • サブPCでVTS(Live2Dのトラッキングアプリケーション)+OBSを使った配信が出来るようにすること
  • メインPCのサブモニターのinputを切り替えることで、最終的な出力をプレビューできるようにすること

となります。最低でもモニターが三枚必要になるヘビーな運用ですが、快適な2PC配信環境を構築しようとするとどうしてもモニターの数が必要になってしまいます。

九龍

ゲーミングモニターはAmazonの定期セールで安く手に入るのでうまくセールを活用しましょう!!

60Hzと240Hzのモニターでの動体の見え方の違いの比較図関連ガイドゲーミングモニターの選び方|リフレッシュレート・応答速度・パネルの違いを解説!SS撮りたい?FPS強くなりたい?ゲーム体験を根本から変えるゲーミングモニター。FPSで勝ちたい人・美しいスクリーンショットを撮りたい人、それぞれの目的別に注目すべき3つのポイントと、ぼくが実際に使っているALIENWARE AW2521HFのレビューをさっくりお届けします!

接続の意図を理解していただけたところでセットアップの手順を解説していきます!ポイントを抑えてしまえばとっても簡単にできちゃいますよ~!

メインPCのゲーム画面をキャプチャーボードに取り込むのってどうやるの?

Elgato Game Capture HD60 Xの専用アプリケーションである「Elgato 4K Capture Utility」はダウンロードも起動も必要ありません。

はじめに、Elgato Game Capture HD60 XをHDMI接続していると、メインPCにディスプレイとして認識されることを理解しておくとこの後のステップが簡単になります。

手順はこれだけ!

  1. メインPCからHDMIをキャプチャーボードのINに接続
  2. キャプチャーボードのUSB-CをサブPCに接続する
  3. メインPCでOBSを起動、シーンのプレビュー部分を右クリックして「全画面プロジェクター(プレビュー)」を展開する
  4. 展開された「全画面プロジェクター(プレビュー)」で「HD60 X」を選択する

それぞれの手順をじっくり解説していきますね!

① メインPCからHDMIをキャプチャーボードのINに接続

メインPCのグラフィックボードのHDMIポートからキャプチャーボードのHDMI INに接続
グラフィックボードのHDMIポートからキャプチャーボードに接続!

Elgato HD60 Xに付属しているHDMI 2.0ケーブルをメインPCのグラフィックボード、HDMIポートに接続します。

九龍

Elgato HD60 XにはUSB 3.0 C-to-AケーブルとHDMI 2.0ケーブルが同梱されているので、基礎的な接続部分に追加のケーブルが必要無いのがありがたいですね!

この時点ではキャプチャーボードに電源が供給されていないのでメインPCに認識されません!

② キャプチャーボードのUSB-CをサブPCに接続する

キャプチャーボードのUSB-CをサブPCのUSB3.0ポートに付属のケーブルで接続
任意のUSB3.0ポートとキャプチャーボードを接続!コネクタの内側が青色なのがUSB3.0の目印です。

同じくElgato HD60 Xに付属されているUSB 3.0 C-to-AケーブルをサブPCのUSB3.0ポートに接続します。

Elgato HD60 XではUSB3.0以外での動作が保証されていません!リアルタイムで映像を転送するためにはUSB2.0の約10倍以上の転送速度を持つUSB3.0ポートへの接続が不可欠です。

サブPCにUSBケーブルで接続されると、キャプチャーボードに電源が供給されメインPCにディスプレイとして認識されるようになります。

③ OBSの「全画面プロジェクター(プレビュー)」でHD60 Xを選択する

OBSを起動しなくとも「メインPCの選択したディスプレイ全体」をキャプチャーボードに取り込む方法はありますが、配信において任意の映像ソース以外が放送されるのはリスクが高すぎます。

OBSのプレビュー部分(緑枠部分)を右クリックして全画面プロジェクター(プレビュー)を展開
緑枠部分(画面上部)を右クリック!

メインPCから任意の映像ソースだけをキャプチャーボードに送るために、メインPCでOBSを起動しましょう!OBSのプレビュー部分を右クリックすると、プレビューに関するメニューが展開されます。「全画面プロジェクター(プレビュー)」を選択すると、HD60 Xが選択できるようになっています。

メインPCでの配信活動を行っていた場合、OBSのシーン、ソースなどの設定が持ち越せるのもメリットです!

ここまでの手順でサブPCに映像を送る状態のセットアップが完了しました!続けてサブPCでメインPCから映像が届いているか確認してみましょう!

キャプチャーボードで取り込んだ映像をサブPCで配信する方法は?

メインPCからHDMI接続しているとき、キャプチャーボードはディスプレイとして認識されることを前のセクションで説明しました。それではサブPCにUSB接続されたキャプチャーボードも同じようにディスプレイとして認識されるのでしょうか?

九龍

サブPCにUSB接続されたElgato HD60 XはサブPCに、カメラとして認識されます!

サブPCではOBSを起動、「映像キャプチャデバイス」をソースに追加しElgato HD60 Xを選択するだけで簡単に映像を取り込むことができます。

繰り返しになりますが、サブPCにおいても「Elgato 4K Capture Utility」はダウンロードも起動も必要ありません。むしろ、4K Capture Utilityを起動した状態でOBSを起動してしまうと、「映像キャプチャデバイス」のソースで取り込んだ映像が真っ黒になってしまいます。

4K Capture Utilityを起動していると映像が取り込めなくなってしまう警告図
先に起動したアプリのキャプチャが優先されてしまいます!!

これでサブPCで実際に配信をする準備がほとんど完了しました!

しか~し!!実はこの状態では音声がサブPCに届いていません!

九龍

次のステップでサクっと解説いたしますね!最終ステップなのでがんばりましょう……!

OBSの音声をHDMIで出力する方法を教えて!

今回解説した方法では、メインPCで起動したOBSの映像をあくまでプレビューとしてキャプチャーボードに表示しています。つまり、同じように音声をプレビュー可能な状態に設定するだけで、HDMIケーブルを通して音声をキャプチャーボードに転送することが出来ます!

メインPCでOBSの設定・音声タブからモニタリングデバイスをHD60Xに設定
メインPCでOBSの「設定」音声タブから、モニタリングデバイスをHD60 Xに設定します。
  1. メインPCで起動したOBSで「設定」を開き、音声タブにある「モニタリングデバイス」をHD60 Xに設定します
  2. 音声ミキサーの歯車をクリックするなどの操作で「音声の詳細プロパティ」を開きます
  3. メインPCで出力したい音声(ゲームプレイ音など)を選び、「音声モニタリングの設定」を「モニターと出力」に設定していきましょう

左下の「アクティブなソースのみ」にチェックを入れてから設定すると音声の出力とは関係ないソースなどが非表示になり、設定がスムーズになります。

正しく設定しても音声が聞こえないときはOBSを再起動すると解決します!プレビュー先のPCのOBSでも、音声の再生デバイスなどの設定を任意のデバイスにきちんと設定しましょう!

「友達とのDiscord通話は聞きたいけど、配信には乗せたくない!」という場合は、Wave Linkで音声を分けるのがカンタンです。

Elgato Wave Linkのダウンロードページとアプリのミキサー画面関連ガイドWave Linkの使い方|Discordの通話を配信に乗せない設定を画像つきで解説【Elgato・仮想オーディオ】Elgato Wave Linkを使った仮想オーディオ環境の作り方を画像つきで解説!「友達と遊ぶゲームは配信したいけど、通話中の友達の声(Discord)は配信に乗せたくない」あるあるシチュエーションを、設定3ステップで解決します。

うまくいかないときのチェックリスト(映らない・音が出ない)

2PC配信でつまずきやすいところをまとめておきます!上から順番に確認してみてください。

サブPCのOBSで映像が真っ黒のまま

  • 「Elgato 4K Capture Utility」が起動していないか確認!先に起動したアプリにキャプチャを取られてしまいます。タスクトレイに隠れていることもあるので要チェックです
  • USBケーブルがUSB3.0ポートに刺さっているか(コネクタの内側が青いのが目印)。USBハブ経由だと不安定になりやすいので、PC本体のポートに直接つなぎましょう
  • メインPCのOBSで「全画面プロジェクター(プレビュー)」がHD60 Xに出ているか。ここが別のモニターになっていると、キャプチャーボードには何も届きません

メインPCにHD60 Xがディスプレイとして出てこない

  • HD60 XはサブPCのUSBから電源をもらって動きます。サブPCの電源が入っていて、USBがつながっているかを先に確認!
  • つないだ直後は認識に少し時間がかかることがあります。HDMIを一度抜いて刺し直すと出てくることも

ゲーミングモニターが急に60Hzになった・画面が全部同じになった

Windowsの画面設定が「表示画面を複製する」になっていると、メインのゲーミングモニターまでキャプチャーボードに合わせた表示になってしまいます。

  • 「設定」→「システム」→「ディスプレイ」で、表示画面を拡張するに変更しましょう
  • ついでにHD60 X側のディスプレイは1920×1080・60Hzにしておくと安定します。配信を1080p60でするなら、それ以上の設定にしても配信の画質は上がりません

サブPCに音が届かない

  • メインPCのOBSで、モニタリングデバイスがHD60 Xになっているか
  • 音を送りたいソースが「モニターと出力」になっているか
  • 設定が合っているのに聞こえないときは、OBSの再起動でだいたい直ります
九龍

困ったらまず「キャプチャーボードはメインPCからはディスプレイ、サブPCからはカメラ」を思い出してください!どっち側の問題なのかが切り分けられるだけで、解決がぐっと早くなりますよ~!

キャプチャーボードを使った2PC配信がもたらす、視聴者と配信者へのメリット!

お疲れ様でした!無事に設定することが出来たでしょうか。

これまでメインPCひとつで「ゲーム+OBS(配信)+VTS(トラッキングソフトウェア)」を起動しながら遊んでいましたが、正直なところゲームに集中できないくらい重たかったので、この環境にはとてもワクワクしています!

九龍

(タルコフなんてCPU使用率100%になってフレームレート30すらでなかったなあ…)いつか絶対に2PCにしてやる!と決意したきっかけのゲームでした。

配信の画質も安定しやすくなり、視聴者にとっても嬉しい2PC配信ライフの手助けが出来る記事になっていればとてもうれしいです!

最後までお読みいただきありがとうございました!